マツダ車のメーカーオプション「BOSEサウンドシステム」は、エージングによって音が劇的に変わります——これが、5年以上にわたって乗り続けた私の率直な実感です。
新車時には正直なところ不満を感じていた音が、走行4万キロを超えたあたりで見違えるように改善されました。本記事では、その変化のプロセスを実体験ベースで詳しくお伝えします。
新車購入時にBOSEサウンドシステムを選んだ理由
マツダの新車購入にあたり、BOSEサウンドシステムの導入を検討するにあたって、まずはマツダディーラーにて試聴をお願いしました。BOSEあり・なし、それぞれの車で同じライブDVDと音楽CDを使った比較試聴です。
公平を期すため、EQはどちらもフラットに統一し、その他の音質調整機能もすべてオフに。BOSEなし車はEQチャンネルが豊富なぶん、調整次第で印象が変わってしまうため、この点は特に意識しました。
イコライザーに関しての考えを記事にしています。
【オーディオ高音質化】イコライザー(EQ)の 可能性と限界:最終手段としての使い方イコライザー(EQ)とは?オーディオを触ったことがある人なら、一度はEQをいじった経験があるのではないでしょうか。音を周波数帯ごとに上げ下げして、低音に厚みを足したり、高音を伸ばしたりできる機能です。スマホの音楽アプリにも、車のオーディオに…
結果は明快でした。音の厚みと高音の伸びで、BOSEありが圧倒的に上回っており、じっくり吟味するまでもないほどの差がありました。加えて、メーカーオプションなのであとからの施工が不要なプレミアムサウンドシステムで品質面の安心感もあり、リセールバリューへの貢献も期待できる。判断に迷う要素がほとんどありませんでした。
新車時の印象
納車までは心待ちにしていただけに、実際に聴いたときの落胆は正直なところ大きかったです。良い面もあれば、気になる面もあり、一言では表現しにくい複雑な印象でした。
良かった点
- 試聴時と同様、低音に力強い迫力がある
- 音の余韻がきれいで響きが繊細
- 音の定位感は自然で、点音源的な不自然な集中感がなく、ほどよくぼやけた広がり
- AudioPilot(ノイズ補正機能)が高速道路でかなり有効
気になった点
- 高音がキンキンと刺さるように響き、長時間の試聴では耳が疲れる
- 中音域に違和感があり、音全体のバランスがしっくりこない

新車時の対応方法
「BOSEを選ばなければよかったか」「プロショップに相談しようか」——納車早々、そんな考えが頭をよぎりました。ただ、新車をすぐに改造するのは気が引けたため、まずはしばらくそのまま乗り続けることにしました。
それでも耳の疲れはどうにかしたく、やむなくEQで応急処置を施すことにしました。
- 高音を5〜6目盛り下げ、キンキンした刺さりを抑える
- 全体バランスを崩さない範囲で、低音も4〜5目盛り下げて調整

聴き疲れはかなり改善されましたが、中音域の違和感だけはどうにもなりませんでした。メーカーが音づくりに込めた意図を、EQでむやみに崩したくないという気持ちもあり、「あとはエージングに賭けるしかない」と自分に言い聞かせながら乗り続けることにしました。
走行距離とエージングによる音の変化
走行3万キロを超えたあたりで、試しに高音の調整幅を縮めてみたところ、マイナス3目盛り程度でも聴き疲れしないことに気づきました。確かな変化の予兆でした。
その後も少しずつ調整幅を減らしていき、走行4万キロを超えたころにはついに、高音も低音も一切手を加えなくて良い状態になりました。このときの印象は鮮明に覚えています。

- 高音はクリアで伸びやかなのに、聴き疲れがまったくない
- 新車時からずっと気になっていた中音域の違和感が消えた
- 低音の迫力や定位感など、新車時に感じた良さはそのまま
なるほど、これがメーカーの意図する音だったのかと初めて納得できた瞬間でした。
ハイエンドオーディオが持つ瑞々しさには届かないかもしれませんが、コストを抑えたと噂されるメーカーオプションでも、ブランドの音を十分に感じさせてくれます。もともとの素性の良さに加え、定位感や自然な響きを実現するために積み重ねられたセッティングの跡が、音ににじみ出ているように思います。
恐るべし、BOSE。そしてその実力を引き出したマツダの担当者にも、純粋に敬意を感じました。
4万キロという時間をかけて初めてわかる音がある——そんな体験でした。
エージング完了後に気づいた各機能の印象
- 「運転席設定」や「Bose Centerpoint」をオンにすると、特に高音の響きが不自然に感じることがあります
- 「Bose AUDIOPILOT」はオフのほうが高音域が自然に響く印象です。ただし高速道路走行時はロードノイズが増すため、状況に応じて数値を上げていくのが無難でしょう
- 「Boseステレオモード」は気分に応じて切り替えると面白い機能です。「リニア」に設定したときの高音の伸びは、案外心地よく感じます


エンジン始動直後は少し待つのがコツ
エージング完了後でも、エンジン始動直後は高音が若干出すぎに感じることがあります。しばらく走行してシステムが安定してくると自然に落ち着くため、始動直後にあわててEQを触らないことをおすすめします。どうしても気になる場合は、1目盛り程度下げるだけで十分です。
BOSEサウンドシステムのエージング
新車時に感じていた高音の刺さりや中音域の違和感が、改造にもアクセサリーにも頼らず、ただ5年・4万キロを一緒に走るだけで解消されていった——これが、今回の体験から得た私自身の率直な結論です。
正解の音にたどり着くまでにずいぶんと時間がかかってしまいましたが、走り込んだ分だけ音が育ってくれたという手応えは、今も確かに残っています。

そして、ここまでシステムの音が育ってきたとなると、次に気になってくるのは「何を鳴らすか」です。せっかく整ってきた再生環境には、それに見合う音源を用意したくなる——そんな気持ちが自然と湧いてくるようになりました。
※エージングという概念そのものについては、別ページにて整理しています。

プレミアムサウンドシステムはUSBメモリで音楽を聴く
ここまで紹介してきたように、マツダコネクトのBOSEサウンドシステムは、一言でいえばかなり高音質な音楽再生が可能なシステムです。加えて、最近のマツダ車は車室内への騒音対策もしっかり施されています。これだけ音を楽しむための環境が整っているのに、Bluetooth接続で済ませてしまうのは少しもったいない選択ともいえます。USBメモリにじっくり取りためた音楽ファイルを直接再生すれば、心地よいサウンドがドライブのお供になってくれるはずです。
そこで本サイトの別の記事では、マツダコネクトで直接音楽を再生することを目的に、音楽ファイルをUSBメモリへ転送する手順を3回に分けて紹介しています。

マツダBOSEサウンドシステムで直接音楽再生を実施して、高品質な音楽再生ができる環境をとことん活かしたい!
その際に使うのは、PC用フリーソフトの「MusicBee」です。まずはMusicBeeの基本的な使い方を押さえたうえで、USBメモリの作り方へと進む構成にしていますので、ぜひあわせてご覧ください。

MusicBeeを用いたPCでの音楽再生や音楽ファイルの管理保存方法を紹介



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