PCの音楽を、マツダコネクトのBOSEサウンドシステムでUSBメモリから鳴らす――そのシリーズも、いよいよ最終回です。
第1回でマツダコネクトの対応形式を確認し、第2回でUSBメモリを準備しました。今回は、整えた楽曲をUSBメモリへ書き出して、実際に車で鳴らすところまでを見ていきます。
なお、USBメモリへの書き出し(転送)の操作そのものは「MusicBee使い方ガイド 第6回」で詳しく解説しています。この記事は、その手順をマツダコネクト向けに実践する回という位置づけです。MusicBeeでの転送操作に不安がある方は、先にそちらを開いておくと迷いません。

プレイリスト作成前に押さえておきたい基本事項
PC上では曲をファイル名でも探せますが、マツダコネクトはファイル名ではなく「タグ情報」を頼りに曲を分類します。タグ情報とは、曲のファイルの中に書き込まれたアーティスト名・アルバム名・トラック番号などのデータのことです。
タグがきちんと整っていると、こんなふうに快適になります。
- アーティストごとに迷わず検索できる
- アルバムがバラけず、ひとまとまりで表示される
- プレイリストやジャンル別の再生もスムーズ
逆に、タグが欠けていると次のような困りごとが起きがちです。
- 「不明なアーティスト」にまとめられてしまう
- 同じアルバムがいくつにも分かれて表示される
- 聴きたい曲にたどり着けない
車では走行中の操作が制限されるぶん、タグの乱れはそのまま「使いにくさ」に直結します。タグの整え方そのものはMusicBee側の話なので、転送前にMusicBeeで整理しておくのがおすすめです。
タグ編集の詳細は「【MusicBee使い方ガイド 第3回】音楽ファイルの取込・編集・レイアウト設定」が参考になります。

転送する形式の決め方
マツダコネクトへ転送するとき、ひとつだけ決めておきたいのが「どの形式で書き出すか」です。
MusicBeeには、転送のときだけ自動でファイル形式を変換してくれる機能(オンザフライ変換)があります。PCにはFLACなどの高音質ファイルを残したまま、USBへ書き出す瞬間だけ別形式に変換できる仕組みです。設定の場所や操作手順は第6回で解説しているので、ここではマツダコネクト向けの「選び方」だけ押さえます。


音質と音楽ファイルの容量のバランスを重視する場合、変換先にMP3を選びます。第1回で見たとおり、MP3なら新旧どちらのマツダコネクトでも再生できるためです。音質は「エンコードプロファイル」で選べますが、経験上、MP3でも高品質設定にしておくと、音の余韻が自然で聴きやすく、容量もほどよく収まります。マスター音源より情報量は減るものの、車内で日常的に楽しむには十分な場合にはMP3が最適な選択肢になります。
一方で、音質を重視し、USBメモリの容量も十分に用意できる場合、マツダコネクト側の対応を確認したうえで、変換先にFLACを選びます。FLACに対応していない場合は、WAVEを選ぶ方法もあります。
特にBOSEサウンドシステムを装着している場合は、再生環境だけでなく、音源側の品質にもこだわりたくなります。元の音源のまま車内で楽しめるため、ドライブ中の音楽体験はより充実したものになります。
FLACであれば、曲情報をファイル内に保持しやすく、アルバムアートワークの表示にも対応しやすい点がメリットです。さらに、可逆圧縮のため音質を保ちながら容量を抑えられるので、高音質再生を重視する場合には有力な選択肢になります。
ただし、MP3より容量は大きくなるため、USBメモリの容量には余裕を持たせておくと安心です。
※ ただしWAVは、FLACに比べてタグ情報やアートワークを保持しにくい形式です。車載での表示・分類を重視するなら、対応していればFLACのほうが扱いやすい選択肢になります。
設定手順
MusicBeeのデバイス同期画面(USBメモリ接続時に表示される設定画面)で、「オンザフライ変換」にある「変換形式」にチェックを入れ、FLACやMP3を選び、品質は「エンコードプロファイル」から選択できます。

プレイリストの保存形式
プレイリストの保存形式は「M3U8」を選び、「相対ファイルパスを使用」にチェックを入れます。私の環境では、この設定でマツダコネクトに正しく認識されることを確認できました。

なぜこの設定なのかを補足しておきます。
M3U8はUTF-8という文字コードで書かれるプレイリスト形式で、日本語のアーティスト名やアルバム名でも文字化けしにくいのが利点です。
「相対パス」は、C:\Users\… のようなPC固有の場所を指す絶対パスではなく、USBメモリ内のフォルダを基準にして曲を指し示す方式です。これにより、PCとは別の機器であるマツダコネクトでも、同じルールで曲をたどれるようになります。
(※車種・年式によって挙動が異なる場合があります。うまく認識されない場合は、保存形式を変更して動作を確認してみてください。)

ここまでの設定を終えたら、「同期」のアイコンをクリックします。

マツダコネクトでの動作確認
転送が終わったら、いよいよ車での確認です。
書き出したUSBメモリを車のUSBポートに挿し、エンジンをかけます。マツダコネクトは、メモリの中身をいったん読み込んでから再生できる状態になります。(この読み込みの仕組みは第6回で触れたインデックス化と同じです。)曲数が多いと、初回は10分ほどかかることもあります。
【安全のために】
読み込みの確認は、必ず車を安全な場所に停めてから行ってください。少し走ってコンビニの駐車場などに停めてから操作するのがおすすめです。
確認したい3つのポイント
読み込みが終わったら、次の3点を確かめます。
- フォルダ/プレイリスト:思ったとおりに表示されているか
- 並び順:プレイリスト内の曲順が崩れていないか
- 再生:音飛びやノイズがなく、最後まで流れるか
確認の道順は「ライブラリー」→「プレイリスト」→「自作プレイリストを選ぶ」→「中身の曲」という流れです。


入れたはずの曲が見つからない場合
「PCでは入れたのに、車のプレイリストに見当たらない」というときは、次の2点を確かめます。
- マツダコネクトで再生できる形式(MP3など)に変換できているか
→ MP3など対応形式へ変換できているか、オンザフライ変換の設定を見直します - 転送時にエラーが出ていなかったか
→ MusicBeeの転送ログを確認し、エラーが出ていれば該当ファイルを修正・再変換します
転送時のエラーの詳しい見方や「コピーに失敗しました」が出たときの対処は、第6回にまとめています。
USBメモリの中のフォルダ階層が多少入り組んでいても、プレイリストさえ正しくできていれば、曲はリスト単位できれいに再生されます。フォルダ構造に頼らずプレイリストで管理する、いちばんの利点がここです。
プレイリスト運用の利便性
ここまでの仕組みを取り入れると、それまでのファイル管理にあった面倒さから一気に解放されます。
「フォルダで疑似プレイリスト」との違い
以前の私は、デバイス内に「お気に入り」「ドライブ用」のようなフォルダを作り、そこに曲のコピーを置く形で疑似的なプレイリストを運用していました。
この方法には、次のような欠点があります。
- 同じ曲を複数のリストに入れたいとき、ファイル本体を重複コピーすることになり容量を浪費する
- 曲順の変更ごと、ファイル名を変更する必要があり、管理が煩雑になる
- 曲の追加・削除のたびにフォルダ構成が崩れていく
MusicBeeのプレイリスト運用なら、ファイルの実体は1つだけで、複数のプレイリストから参照できます。
操作も容量も改善される
- 曲の並び替えはPC上でドラッグするだけで完結する
- 重複コピーが発生しないため、USBメモリの容量を最大限に活用できる
- プレイリストごとに気分やシーンに合わせた選曲が瞬時にできる
シンプルな仕組みですが、車で音楽を楽しむ時間そのものが快適になる効果は大きいです。
MusicBeeで作る「マツコネUSB」のポイント
今回は、MusicBeeで整えた音楽を、実際にマツダコネクトで鳴らすまでをたどりました。ポイントを振り返ります。
- タグを整えておくと、車での検索性がぐっと上がる
- 変換先は、マツダコネクトで再生できる形式の中から、音質と容量のバランスで選ぶ(MP3/FLAC/WAV)
- M3U8+相対パスで、プレイリストが正しく認識される
- 読み込みには時間がかかるので、必ず安全な場所で確認する
- プレイリスト運用なら、容量も操作も管理もまとめて楽になる
USBへ書き出す操作そのものをもっと詳しく知りたい方は「MusicBee使い方ガイド 第6回」を、

対応形式の根拠は「マツコネ転送第1回」を、USBメモリの準備は「マツコネ転送第2回」を、あわせてご覧ください。下記に「マツコネ転送」のカテゴリをまとめたページのリンクを貼付します。

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