新車時の音だけで判断するなら、私もマツダBOSEには不満がありました。高音が刺さり、中音域にも違和感があったからです。
ところが、3万kmを超えたあたりからEQの補正量を減らせるようになり、4万kmでは高音と低音をほぼ調整しなくても聴けるようになりました。
これがスピーカーのエージングだけによる変化なのか、耳の慣れや使用環境など別の要因なのかは断定できません。それでも、私の車両では、新車時から走行4万kmまでの間に、音の印象と評価が大きく変わりました。マツダBOSEは、納車直後の印象だけで切り捨てるには惜しいシステムだと思っています。
新車購入時にBOSEサウンドシステムを選んだ理由
新車を購入するにあたり、オーディオ好きの私は、メーカーオプションのBOSEを付けるかどうかで迷っていました。BOSEサウンドシステムはあまり評判がよくなく、通常のオーディオシステムでも十分であるとの意見も散見されています。
そこで、まずマツダディーラーに試聴をお願いしました。BOSEあり・なしの2台に、同じライブDVDと音楽CDをかけてもらう、いわば聴き比べです。自分の耳で公平に判断したい。そう思って、EQはどちらもフラットに統一し、音質調整系はすべてオフにしました。特にBOSEなしの場合、EQの調整幅が広く、いじり方ひとつで印象が変わってしまうため、そこは意識的にそろえました。デジタル処理も設定できる範囲でオフにし、両車ともできるだけフラットな条件にそろえました。
イコライザーに関しての考えを記事にしています。
【オーディオ考察】イコライザーは使わないほうがいい?EQの限界と失敗しにくい調整方法イコライザーは使わないほうがいいのか。EQで補正できることとできないこと、大幅調整の前に見直したい機器・設置・音源、失敗しにくい調整手順を、ヘッドホンやカーオーディオの実体験から解説します。
結果は明快でした。音の厚みも高音の伸びも、BOSEありが圧倒的。じっくり吟味するまでもないほどの差です。しかもメーカーオプションのプレミアムサウンドシステムなので、品質面の安心感もあるし、リセールバリューも若干上がるはず。迷う要素は、ほとんどありませんでした。
新車時のBOSEサウンドシステムの音の印象
ところが、納車後に機能や設定を一通り試し、自分なりの聴き方が定まると、ディーラーで試聴したときとはかなり印象が違いました。良いところがある一方で、気になるところも多く、正直に言えば落胆のほうが大きかったというのが本音です。
良かった点
- 試聴時と同様、低音に厚みと迫力がある
- 音の余韻がきれいで響きが繊細
- 音が一か所に集まりすぎず、車内に自然な広がりがある
- AudioPilot(ノイズ補正機能)が高速道路でかなり有効
気になった点
- 特に気になったのは、キンキンした高音が耳に刺さり、長時間聴くと疲れること
- 低音から中音域にかけてこもったような違和感があり、音全体のバランスがしっくりこない

音の違和感に対して行った調整
「BOSEを選ばなければよかったか」「プロショップに相談しようか?」
納車から1か月もしないうちに、そんな考えが頭をよぎりました。とはいえ、おろしたての新車にいきなり手を入れるのは、さすがに気が引ける。まずはこのまま乗ってみることにしました。
それでも、耳の疲れだけはどうにかしたい。応急処置のつもりで、音響設定(EQ)に頼ることにしました。
- キンキンした高音が気にならなくなるまで、高音を5〜6目盛り下げる
- 全体のバランスを崩さないよう、低音も4〜5目盛り下げる

聴き疲れはずいぶん楽になりました。しかし、その代わり、音はひどくつまらなく感じられ、中音域の違和感も解消されませんでした。音楽を聴いているというより、ただ音が鳴っているだけのような印象です。それでも、メーカーが意図した音のバランスを、EQでこれ以上崩したくはありませんでした。
「あとはエージングに賭けるか。」
半ばあきらめ、半ば期待しながら、私はそのまま走り続けました。
走行距離とともに感じた音の変化
転機は、走行3万キロを超えたあたりでした。試しに高音の下げ幅を縮めてみると、マイナス3目盛り程度でも聴き疲れしない。「お、変わってきたか?」初めて手応えを感じました。
そこからは少しずつ下げ幅を減らしていきました。そして走行4万キロを超えたころ、ついにその日が来ます。
高音も低音も、ほとんど補正しなくてよい状態になりました。このときの感動は、今でも鮮明に覚えています。

- 高音はクリアで伸びやかなのに、聴き疲れがまったくない
- 新車時からずっと気になっていた中音域の違和感が、消えていた
- 低音の迫力、定位感、余韻といった良さは、新車時のまま
「気のせいでは?」と思われるかもしれません。ただ、私にはそう感じた理由があります。自宅では、長年使っているヘッドホンをほぼ毎日聴いています。音を判断するための絶対的な基準とは言えませんが、自分の中では、音の変化を比べるための基準になる再生環境があります。
そのうえで、正直に書いておきます。この変化が「BOSEのスピーカーが馴染んだ、いわゆるエージング」によるものなのか、それとも別の要因なのか、そこまでは私にも断定できません。
はっきり言えるのは、新車時から走行4万kmまでの間に、私の車両では音の印象が変わったということです。本記事では便宜上、この変化を「エージング」と表現していますが、原因を断定する意図はありません。
もちろん、現在でもハイエンドオーディオのような高音の瑞々しさを感じるわけではありません。
それでも、全体のバランスは以前より自然になり、低音の響きも過剰ではなく、音楽として聴きやすいまとまりになったと感じています。
BOSEらしい低音の存在感を残しながら、車内で音楽を楽しむためのバランスに整えられている。
正直、最初の印象からここまで変わるとは思っていませんでした。派手な高級オーディオではありませんが、車内で長く聴くための音としては、よく考えられたシステムだと感じています。
4万km走行後に気づいた各機能の印象
音が落ち着いてくると、今度は各機能のクセも見えてきました。
- 「運転席設定」や「Bose Centerpoint」をオンにすると、特に高音の響きが少し不自然に感じることがある。
- 「Bose AUDIOPILOT」はオフのほうが、高音域は自然に伸びる印象。ただし高速道路ではロードノイズが増えるので、状況を見て数値を上げるのが無難。
- デジタル処理を使うときは中途半端にせず、各機能を組み合わせています。
「Bose ステレオモード」は「リニア」に設定し、「Bose AUDIOPILOT」は走行状況に応じて効き具合を調整。一人で乗るときは「運転席設定」を選びます。「リニア」にすると中高音が比較的自然に補われ、「Bose AUDIOPILOT」が走行ノイズに応じて音を補正します。さらに、「運転席設定」によって音場の基準も運転席に合わせられます。特にロードノイズの大きい高速道路では、高音が聴き取りにくくなるためか、これらを組み合わせた設定が意外と癖になります。
ただし、走行ノイズに合わせて音量を上げたときは、停車時の音漏れにも注意したいところです。


エンジン始動直後は少し待つ
私の車両では、エンジン始動直後に高音が少し強く感じられることがあります。ただ、しばらく走ると自然に落ち着くため、始動直後には慌ててEQを変更しないようにしています。
エージングと向き合った結果
新車時に感じた高音の刺さりや中音域の違和感は、改造やアクセサリーを加えずに使い続けるうちに、走行4万kmを超えたころには気にならなくなっていました。これが、今回の体験から私が得た率直な結論です。

落ち着く音にたどり着くまで、ずいぶん時間がかかってしまいましたが、私には、走行距離を重ねるにつれて、音が少しずつ育っていったように感じられました。そんな感覚は今も確かに残っています。
現在は走行8万kmですが、BOSEサウンドシステムには、ただただ満足しています。
※エージングという概念そのものについては、別ページにて整理しています。

マツダBOSEの再生方法|USBメモリとBluetooth
ここまで音が整ってくると、次に気になるのは「何を鳴らすか」です。
せっかくの再生環境なら、音源にもこだわりたくなります。
そこで、別記事にUSBメモリで音楽を再生するための準備や、

MusicBeeから楽曲を転送する方法を詳しく紹介しています。



