PC内に保存された音楽ファイルを、スマートフォン(Android/iPhone)や高音質なPCオーディオ、あるいはマツダコネクト等のカーオーディオなど、様々なデバイスで快適に再生するためには、すべてのハブ(母艦)となる優秀な音楽管理ソフトウェアの導入が不可欠です。
「数あるソフトの中でなぜMusicBeeなのか。」
ひとつは、iTunesからの移行で違和感が少なかったこと。もうひとつは、フリーソフトだったことです。正直、使い始めた動機はこの2点だけでした。
ただ、今となっては「選んだ理由」より「使い続けている理由」のほうが大きくなっています。使っていくうちに、歌詞やアルバムのアートワークを表示してくれたり、波形を見ながら音楽の再生ができたりと、地味に手が回る場面が多いと気づきました。再生もそれなりに高音質で、スマホやUSBメモリといった外部メディアへの書き込みにも対応しています。結局、母艦として一通りこなせるので、そのまま居着いた——というのが実際のところです。
本記事では、このMusicBeeを母艦として導入し、iTunes由来のAAC(.m4a)も含めて再生・管理できる状態にするまでの初期セットアップを解説します。必要に応じて他形式へ変換できる環境も、あわせて整えます。
※ MusicBeeは、現在Windows用のソフトとなっておりますので、予めご了承ください。
MusicBeeのダウンロードとインストール手順
MusicBeeはWindowsのアプリストア(Microsoft Store)からも入手可能ですが、後々のカスタマイズやフォルダ管理の確実性を考慮し、デスクトップ版のインストーラー(CドライブのProgram Filesに格納される形式)をダウンロードすることを推奨します。
公式のインストーラーの入手
ソフトウェア紹介の老舗サイトである「窓の杜」、または(サイトは英語ですが)「MusicBee公式サイト」からインストーラー(Installer版)をダウンロードしてください。
- MusicBee公式サイト(英語)
(※右表示はブラウザの翻訳機能で日本語表記です。)

インストールと日本語化
現在のバージョンは多言語に対応しており、初回起動時に言語選択画面が表示されます。Windowsのシステム言語が日本語であれば日本語が選択された状態で開くため、そのまま進めれば日本語のインターフェースで使い始められます。

MusicBeeが対応するファイル形式とエンコーダーの確認
MusicBeeは再生については幅広い形式に最初から対応しており、AAC、M4A、MP3、FLAC、WAV、WMA、OGG、ALAC、Opus などをそのまま再生できます。
一方、CDからのリッピングや他形式への変換でデフォルトから利用できる形式は以下の4つに限られます。
- WAV (無圧縮ファイル)
- MP3 (一般的な圧縮ファイル)
- WMA (Windows標準の圧縮ファイル)
- FLAC (可逆圧縮ファイル)
上記4形式以外への変換には別途「エンコーダー」が必要となり、都度ダウンロードして、入手したエンコーダーをMusicBeeに「あてる」必要があります。
余談ですが、私が環境を整えたときは、FLACとApple系(AAC)のエンコーダーを自分で追加しました。当時はFLACも手動で入れる必要がありましたが、今は最初から使えます。このあたりは時期によって変わるので、「何が標準か」を覚えるより、必要になった形式をそのつど確認して足りなければ足す、くらいの構えが現実的です。
そのときサイトを巡って手に入れたファイルのひとつに、実はウイルスが仕込まれていて、ウイルスバスターが検知して止めてくれたことがありました。そのとき初めて、セキュリティソフトを入れていてよかったと実感しました。
エンコーダーは配布元が時期によって入れ替わり、中にはこうした危ないファイルも紛れます。だからこそ、入手するときは必ずセキュリティソフトを有効にして、信頼できるサイトから入れてください。リンクをあえて貼らないのも、安全だと責任を持って言える配布先は時期によって変わるので、そのつどご自身で確かめてほしいからです。
もちろんエンコーダーを入手すればOGG、ALAC、Opusなど、他の形式への変換にも対応できます。必要であればダウンロードして、エンコーダーをあててみてください。
エンコーダーの確認方法
1.画面左上の「三(ハンバーガーメニュー)」をクリックし、[設定] を選択します。

2.設定ウィンドウが開いたら、左側のメニューから [ファイルコンバータ] を選びます。

画面上部にある「MP3」などの項目には初期状態でチェックが入っており、エンコーダーのパス(保存場所)も指定されています。これらはインストール直後から即座に変換が可能な状態であることを示しています。
iTunes用の音楽ファイル「AAC(m4a)」の変換を有効化する設定
過去に「iTunes」を使っていた方のライブラリには、「.m4a」や「.aac」といったAAC形式のファイルが多く含まれているはずです。AACはMP3と同じく広く普及した音楽フォーマットですが、特許ライセンスの関係で、完全無料のフリーソフトには標準で組み込めないという事情があるようです。
AACの設定手順と「!」マークの意味
マウスカーソルを「!」に合わせると、「エンコーダのプログラムが見つかりません」というメッセージが表示されます。これは、AACへの変換に使うエンコーダーが未指定だという意味です。
(再生機能には影響しません)。


MusicBee内でAAC形式への変換を有効化するには、以下の2ステップが必要です。
- AAC用エンコーダーを別途ダウンロードする
- MusicBeeにエンコーダーの保存場所を指定する
DRM保護されたファイル(.m4p)の仕様と注意点
設定を進める前に、iTunes由来のファイルについて一点だけ確認しておきます。
iTunesで管理しているAACファイルには、拡張子によって扱いが異なる2種類が存在します。
- M4A (.m4a) / AAC (.aac)
MusicBeeで標準で再生可能です。(追加設定は不要。) - 保護されたAAC (.m4p):
再生不可。(エラーになります。)
「m4p」はかつてiTunes Storeで販売されていた楽曲に付いている、DRM(デジタル著作権管理)という著作権保護の仕組みが施されたファイルです。Apple系ソフト(iTunes、Apple Musicアプリなど)では再生できますが、それ以外のソフトでは再生・変換ができない仕様になっています。Apple MusicやiTunes Matchに加入していれば、過去に購入したm4pをDRMフリーの形式(m4a)に置き換えられる場合もあるようです。
お手持ちの音楽ファイルに「m4p」 が含まれている場合は、事前にiTunes側でDRMフリーの形式に変換(Apple Musicに加入していれば再ダウンロードで対応可)しておく必要があります。
| 種類 | 拡張子 | MusicBeeでの再生 | 備考 |
|---|---|---|---|
| M4A(AAC-LC) | .m4a | 〇 | 標準で再生可能。一般的なiTunesのファイル |
| AAC(Raw) | .aac | 〇 | コーデック次第だが基本的には再生可能 |
| 保護されたAAC | .m4p | × | 著作権保護(DRM)付き |
AAC対応エンコーダーの追加手順
ここからの手順は、AAC形式への変換(CDからのリッピング、他形式からの変換)を行いたい場合の設定です。再生だけが目的であれば不要です。
保護されていない一般的な「m4a」や「aac」を、MusicBeeで変換可能にする手順は以下の通りです。
エンコーダーの入手
AACエンコーダーは「neroAacEnc.exe」「qaac」「FDK-AAC」等のいずれかを入手します。入手先の安全面については、前述の余談で触れたとおりです。
※配布元は時期によって変わるので、リンクは貼らず、その都度ご自身で安全な入手先を確認して導入してください。
所定のフォルダへの配置
MusicBeeには、機能拡張のための専用フォルダが用意されています。デフォルトでは以下のパスになります。C:\Program Files\MusicBee\Codec
32bit版の場合には、C:\Program Files (x86)\MusicBee\Codec
ダウンロードしたエンコーダーのファイルを、この「Codec」フォルダ内に移動(またはコピー)して配置します。

MusicBeeにパス(場所)を認識させる
MusicBeeの設定画面(ファイルコンバータ)に戻ります。
図の赤枠内のAACの項目の右側にあるボタン(参照ボタン)をクリックし、先ほどCodecフォルダに配置したエンコーダーのファイル(.exe)を指定します。

適用の確認
ファイルを指定してウィンドウが閉じたら、右下の [適用] ボタンをクリックしてください。

オレンジ色の「!」マークが消えれば、システムへの紐づけは完了です。これで、iTunes由来のAACファイル(.m4aなど)の変換も、WAVやFLACと同様にMusicBee上で行えるようになりました。
再生・管理は最初から問題ないですが、これでフォーマット変換まで含めた一通りの操作が可能になります。
次回の記事では、この完成したマスターライブラリに音楽ファイルを取り込み、効率的に整理するための「ライブラリ構築・ファイル管理編」について解説します。



