今回取り上げるのは、ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 3(MTW3)」です。
普段、有線では同ブランドのHD650を使っており、その前はHD600を長く使っていました。ゼンハイザーの完全ワイヤレスとはどのような物か、かなり以前から気になってはいました。ただ、それなりに高価で、使う頻度も少ないため、購入には至っていませんでした。今回、セールで割安になっていたのをきっかけに購入しました。この記事では「EarFun Air Pro 4+」や「HD650」との聴き比べを中心に、使ってみて感じたことをまとめます。

※MOMENTUM True Wireless 3は自費で購入しており、メーカーからの「案件」としての紹介ではありません。また、私が購入したのはAmazon.co.jp限定の「バッテリー強化版」(Graphite)です。発売当初の仕様と異なっております。
初めて聴いた音の印象
いざ商品を開封し、PCに接続した「Creative BT-W5」でaptX Adaptiveにて聴いた印象としては、低中音が豊かで高音があまりクリアではないことでした。すこし籠っているような感じでした。現在は、エージングが進んだおかげなのか、高音もクリアで中低音とのバランスが取れた音質で、聴き疲れを一切感じないような心地いい音質です。
EarFun Air Pro 4+と聴き比べて感じた違い
「EarFun Air Pro 4+」の記事で書いた通り、「MOMENTUM True Wireless 3」を購入したあとに2台を聴き比べ、EarFun側のEQを再調整しました。その結果、どちらも好きな音質になりました。※ PCとの接続はどちらもCreativeのBT-W5を用いたaptX Adaptiveにて接続した状態となります。
ただ、「EarFun Air Pro 4+」はEQ調整で「MOMENTUM True Wireless 3」へ近づけようとしても、音の響きや余韻のように、EQで調整しきれない違いがありましたが、またそこが、「EarFun Air Pro 4+」を好きになる部分でもあります。
具体的に比較すると、「EarFun Air Pro 4+」はパサパサした乾いた感じで、音の引き際がスッと抜けるような印象。対して「MOMENTUM True Wireless 3」はヌルヌル湿っている印象で、音の引き際がベタっとしている感じですが、音の余韻が自然に広がるような印象です。表現の仕方1つで、けっこう変わりますが、どちらも好きな音なのです。ただし少ししつこいかもしれませんが、「EarFun Air Pro 4+」は「MOMENTUM True Wireless 3」を意識して自分でEQ調整した後となります。
その結果、その日の気分で、どちらを選ぶかという形をとっていますが、実は「EarFun Air Pro 4+」を多用しています。特にMusicBeeのWASAPIを用いた排他モードでの再生は、音楽のジャンルを問わず本当に心地よく、じっくり聴くこともできます。「MOMENTUM True Wireless 3」のEQ調整は未実施の状態なので、聴き込んで実施すると状況が変わる可能性もありますが、そこまでは至っていない状況になります。
ゼンハイザーというブランドでEQ調整して聴き込むっていうのは個人的に気が引ける部分も正直あります。仕上げた音を、まずはそのまま楽しみたいという個人的な気持ちがあるため、EQは調整をまだしていません。
ただし、EQ調整していくと、自分に合った音質に豹変する可能性はゼロではないので、今後EQ調整を実施した場合はこの投稿にて、音の変化や経緯などを紹介していければと考えています。
ちなみに、仕様として、両機の構成は大きく異なり、「MOMENTUM True Wireless 3」は7mmのダイナミックドライバーを1基搭載したシンプルな構成。一方の「EarFun Air Pro 4+」は、ハイブリッドのデュアルドライバー構成。
この構成の違いが聴こえ方にどう影響しているのかはわかりませんが、あくまでPCに接続した「Creative BT-W5」でaptX Adaptiveで聴いたときの主観的な感想です。
イコライザーとアプリ
「MOMENTUM True Wireless 3」は、スマホのゼンハイザー公式アプリで、イコライザーやノイズキャンセリング、タッチ操作の設定を変更できますが、あまり活用していない状況です。そのままで十分と感じています。
ちなみに「EarFun Air Pro 4+」を「MOMENTUM True Wireless 3」と同じようなタッチ操作に変更しています。
Bluetooth接続とaptX Adaptive
「MOMENTUM True Wireless 3」が対応するコーデックは、SBC、AAC、aptX、aptX Adaptiveです。「EarFun Air Pro 4+」とは違い、LDACやaptX Losslessには対応していません。
私の環境では、「EarFun Air Pro 4+」と同じく、PCのMusicBeeからCreative BT-W5を経由して、aptX Adaptiveで接続しています。BT-W5のLEDの色とコーデックの対応は、EarFun Air Pro 4+の記事で紹介しています。
「MOMENTUM True Wireless 3」と接続時のLEDの色は「紫=High Quality」となっており、「EarFun Air Pro 4+」とほぼ同じ環境になっています。接続の安定待ちに少し時間がかかったり、接続されないこともたまにある点は、どちらも変わりません。
また、これはMTW3だけの話ではなく、「EarFun Air Pro 4+」も同様ですが、私の環境では動画を見るときに音の遅れが気になりました。音と映像のずれを気にせず楽しみたい用途では、今のところ有線接続を選びたいと感じています。
外観・装着感
私が購入したGraphiteは、イヤホン本体が黒を基調とし、充電ケースはグレーのファブリック調の外装です。

ケースもプラスチックである「EarFun Air Pro 4+」と比べて、少し異なる高級感を醸し出しています。かなりこだわっている印象です。手入れのしやすさでは「EarFun Air Pro 4+」の方が扱いやすいと思いますが、例えば、旅のお供にする時、圧倒的に「MOMENTUM True Wireless 3」の方が、所有欲を満たしたり、聴く前のワクワク感があります。
装着感や長時間付けた時の疲れや耳からの外れやすさは「EarFun Air Pro 4+」と変わりはないように思います。イヤーピースに対しても同様ですが、ゼンハイザーブランドだけあって、オプション小物はたくさんラインナップがありますので、必要な物を必要な分だけ用意できるのはとても魅力的です。
ノイズキャンセリング
「MOMENTUM True Wireless 3」のノイズキャンセリングは、周囲の騒音レベルに合わせて効き方を自動で調整するアダプティブ方式とのことで、室内の扇風機の音などは明らかに低減されます。ただし、ノイズキャンセリングを積極的に試す機会がなく、実感がわくようなエピソードがありましたら、追記させていただきます。現状は「EarFun Air Pro 4+」とあまり変わりはなく、両機ともノイズキャンセリングの性能は甲乙つけがたい状態にある認識です。
「HD650」据え置き環境と比べて感じた差
私は普段、「HD650」を「iFi audio ZEN One Signature(DAC)」と「ZEN CAN Signature 6XX(ヘッドホンアンプ)」につないで使っていますが、音の響きとか、音をより楽しむには、「HD650」の方に軍配があがります。ただし、完全ワイヤレスイヤホンも、音を楽しめる環境の構築をしてくれますし、なにより配線を気にする必要もないので、十分実用的です。「HD650」と比べると中低音の豊かさや、余韻が自然に広がる点に、同じブランドらしさを感じます。「HD650」の方が、音に味付けがなく、スーッと耳に入ってくる感じが強く、癖を感じにくいです。
ただし、音のバランスが優等生すぎるというか、正直、飽きてきた部分があるからか、自分でEQ調整した「EarFun Air Pro 4+」で聴くことが多くなっているのかもしれないと思いました。こういう部分が今後、「MOMENTUM True Wireless 3」のEQ調整の動機になるかもしれません。
MOMENTUM True Wireless 3をおすすめできる人・向かない人
おすすめできる人
- ゼンハイザーの音を安価に完全ワイヤレスイヤホンで聴きたい人
- アプリやEQを使わず、届いた音をそのまま楽しみたい人
- 外出先でもゼンハイザーの音を気軽に、それでもハイクオリティで聴きたい人
- 音の遅延を気にする必要がない環境で使用する人
(おそらく完全ワイヤレスイヤホン自体の問題ですが・・・。)
向かない可能性がある人
- 高価でも最新の物を使いたい人
(MOMENTUM True Wireless 5 やMOMENTUM True Wireless 4も発売されています。)


- 音の遅延に妥協したくない人
まとめ
一言でいうと、ゼンハイザーが作った、完全ワイヤレスイヤホンという立ち位置はちゃんとしていました。
「EarFun Air Pro 4+」が「自分の音に仕立てる楽しさ」のあるイヤホンだとすれば、「MOMENTUM True Wireless 3」はゼンハイザーが作った音を楽しむことができる完全ワイヤレスイヤホンでした。そのままですが。
正直、ケースから取り出してすぐに聴ける気軽さの中で、ここまでの音が鳴ることは素直に楽しいと感じていますが、音の遅延が気になり始めると、有線接続以外の選択肢はなくなると思いました。

