前回(①)でMusicBeeの導入とAAC設定が済みました。本記事では、楽曲を取り込む前に必ず決めておきたい 、「保存先のルール」、「自動整理の挙動」、「ファイル名・フォルダ構成のテンプレート」、「監視対象フォルダ」 の4点を設定します。あわせて、設定変更前のバックアップ手順も解説します。
設定を始める前の準備
快適なオーディオ環境を維持するためには、楽曲を取り込む前に「PC上での物理的なファイル配置ルール」を決めておくことが重要です。具体的なルールの中身は次のセクションで設定していきますが、その前にこのセクションでは、ルールを先に決めるべき理由と作業前のバックアップを確認しておきましょう。
後からのフォルダ構成変更は、手間がかかるだけでなく、ライブラリの整合性を破壊する大きなリスクを生みます。最初の設定を誤ると、PC上での再生はできても、USBへの書き出しやデバイス間の同期が難しくなる可能性があります。
作業前のバックアップ
MusicBeeの設定を始める前に、外付けHDDなどに音楽ファイルのバックアップを取った状態で試してみることをお勧めします。
MusicBeeにはファイルを自動で移動・整理する機能があります。便利な反面、設定を誤るとファイルが行方不明になったり、意図しない書き換えが発生したりする可能性があります。一度起こると元に戻すのが難しいトラブルなので、最初の設定では特に注意が必要です。
万が一に備えて、バックアップは必ず事前に済ませておきましょう。
バックアップ方法について
データの長期保存については、別記事で詳しくまとめています。コストと堅牢度のバランスを重視した方法を紹介しているので、興味があれば参考にしてください。

簡易的に済ませたい場合は、別のストレージに丸ごとコピーしておくだけでも、最低限のバックアップになります。
音楽ファイルの保存先と整理設定の方法
MusicBeeを起動します。

設定のライブラリを開く
左上のメニューボタン「三」から [設定] をクリック。

左側のタブから [ライブラリ] を開きます。

音楽ファイルの自動整理の有無を選択
フォルダ管理をMusicBeeに任せて自動化したい場合は、「メディアファイルを自動的に整理」にチェックを入れます。

チェックを入れると、対象項目にオレンジ色の「!」マークが表示されます。これは「MusicBeeが自動的にファイルを移動・リネームしますよ」という注意喚起です。
非常に便利な機能ですが、PC内のファイル構成が自動的に変更されるため、仕組みを理解した上で利用しましょう。

次に、その横にある [整理] ボタンをクリックして、詳細ルールを決めていきます。
ファイルの格納場所とルールを決める
[整理] ボタンを押すと、設定ウィンドウが開きます。
ここで設定する3つの項目を押さえれば、ファイル管理は安定します。

- 移動(対象ファイルの選択)
- 「音楽ファイル」など、どの種類のファイルを整理対象にするかを選びます。通常はデフォルトのままで構いません。
- ライブラリの場所(保存先ドライブ)
- 「PC上のどのストレージ(HDDやSSD)」に音楽ファイルを格納するか」を設定します。(例:Kドライブ)
- 宛先のフォルダ(ルートフォルダ)
- ドライブ内の「どのフォルダ」を起点にするかを決めます。
(例:K:\音楽関連\アーティストS) - 注意点:ここで指定するフォルダは、あらかじめエクスプローラー等で作成しておく必要があります。存在しないフォルダを指定すると、
オレンジ色の「!」(フォルダが存在しません)が表示されます。
MusicBeeはフォルダを自動作成してくれないため、実在するフォルダを指定し、構成を一致させてください。
- ドライブ内の「どのフォルダ」を起点にするかを決めます。

「命名テンプレート」を作る
「命名テンプレート」とは、読み込んだ音楽ファイルを「どんなフォルダ構成で」「どんなファイル名で」保存するかを決める設計図です。

右側の「…」ボタンを押すと、タグ情報(アーティスト名やアルバム名など)を
選んでテンプレートを作成できます。
重要なのは、「¥(円マーク)」がフォルダの区切りになる点です。
おすすめのテンプレート構成
迷った場合は、以下の基本構成がおすすめです。
命名テンプレート:
<Album Artist>¥<Album>¥<Title>
この構成にすることで、
・フォルダ単位で整理しやすい
・他デバイスへの転送時も構造が崩れにくい
といったメリットがあり、安定した運用が可能になります。
実際の保存構造:
「アルバムアーティスト名」でフォルダを作成
└「アルバム名」でフォルダを作成
└「曲名(タイトル)」でファイルを保存
別のパターンとして、フォルダを作成せずファイル名のみで管理することも可能です。
例:
<Album Artist>,<Album>,<Title>
この場合、
「あいみょん,瞬間的シックスセンス,マリゴールド」のようにカンマ区切りのファイル名で保存されます。
※フォルダは作成されません
なお、この設定はファイル名の付け方に影響するだけで、トラック番号やアーティスト名などの情報はファイル内部のタグに保持されます。
音質や再生には影響ありません。
悪い例(管理しにくくなる構成)
MusicBeeの音楽ファイルの保存方法は、かなり自由度があります。
例えば、テンプレート次第では、以下のような極端な構成も作れてしまいます。
- テンプレート:
<Title>\<Artist>\<Track Count> - 結果: 曲ごとにフォルダが大量に作られ、その中にアーティストフォルダができ、ファイル名は番号だけ…という実用性のない状態になります。
「何でもできる」反面、管理不能な構成も簡単に作れてしまうので注意してください。
まずは基本の
<Album Artist>\<Album>\<Title> に設定し、
CDを1〜2枚取り込んで、実際にファイルがどのように保存されるのか、挙動を確認してみるのが無難です。
監視対象のフォルダを設定する
設定画面に戻り、「監視対象のフォルダ」を指定します。

フォルダ選択アイコンをクリックし、音楽ファイルを保存している(または保存する予定の)フォルダにチェックを入れます。(例:先ほど指定した K:\音楽関連\アーティストS など)

この設定を行うことで、以下のメリットがあります。
- 自動更新:このフォルダにファイルが追加されると、MusicBeeが自動で検知してライブラリに追加してくれます。
- 範囲指定:MusicBeeが管理する音楽の範囲を明確に制御できます。
インボックス(取込箱)の設定について
MusicBeeには「インボックス」という、「新着ファイルを一時的に仕分けるためのフォルダに入れる機能」があります。
ただ、取り込んだ「新着」ファイルは手動で格納する「手間」が増えること、自動整理機能と命名テンプレートを正しく設定すれば、インボックスを介さなくても正確に格納されるので、今回は使用しない前提として進めます。

- 設定箇所: [ライブラリ] 設定画面の下部
- 設定内容: 「ライブラリに追加」を選択し、「重複チェック」のみ有効にします。
- 「重複したファイルをマークしてインボックスに送る」にチェックを入れておくと、同名のファイルが混ざるトラブルを防げます。
次回(③)では、いよいよCDやファイルの実際の取り込み手順と、取り込み後のタグ編集・レイアウトカスタマイズに進みます。



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