はじめに
前回はMusicBeeでのタグ編集や画面カスタマイズを行いましたが、いよいよPCからマツダコネクト(USBメモリ)への同期…といきたいところですが、その前に絶対に確認しておくべきことがあります。
それは、「あなたの車のマツコネが、どのファイル形式に対応しているか」です。
実はマツダコネクトは、車種や年式(世代)によってオーディオの仕様が大きく異なります。「MP3なら全部同じでしょ?」「ハイレゾも再生できるよね?」と思っていると、いざ車に乗った時に「再生できない」「曲が表示されない」というトラブルに見舞われることになります。
今回は、同期作業での失敗を防ぐために、新旧モデルの仕様差と、それを踏まえた最適な運用ルールについて解説します。
衝撃の事実:新旧モデルで「読めるファイル」が全然違う
今回、記事を書くにあたって改めて調べたところ、現在購入可能なマツダ車であっても、モデルによって再生できる音楽ファイルの種類が違うことに驚きました。
大きく分けると、以下の2つの世代に分類されます。
- 旧モデル(初代マツダコネクト搭載車)
- 例:マツダ2(旧デミオ)、ロードスター、初期〜中期のCX-5など
- 新モデル(次世代マツダコネクト搭載車)
- 例:マツダ3、CX-30、CX-60、後期のCX-5など
特にCX-5のように、同じ車名でも年式(前期・後期)によって搭載されているシステムが入れ替わっている車種は要注意です。まずはご自身の車のマツダコネクトがどちらのタイプか、あるいは取扱説明書で仕様を確認することをおすすめします。
- 参考リンク(公式):マツダ2(旧モデル例)電子取扱説明書
- 参考リンク(公式):マツダ3(新モデル例)電子取扱説明書
マツダコネクト対応オーディオ形式比較
公式マニュアル等の情報を元に、新旧モデルの対応フォーマットを比較表にまとめました。
※仕様変更やアップデートにより異なる場合があります。 正確な情報は必ずご自身の車の説明書をご確認ください。
| フォーマット | サブ形式 | 旧モデル 対応 | 新モデル 対応 |
|---|---|---|---|
| MP3 | MPEG-1 Layer 3 | 32〜320 kbps / 32〜48 kHz / CD・USB | 32〜320 kbps / 32・44.1・48 kHz / CD・DVD・USB |
| MPEG-2 Layer 3 | ー | 8〜160 kbps / 16〜24 kHz / USB | |
| AAC / M4A | AAC LC | 64〜320 kbps / 11.025〜44.1 kHz / CD・USB | 8〜320 kbps / 16〜48 kHz / USB |
| HE-AAC(モノ) | 24〜80 kbps / 32・44.1 kHz / CD・USB | 同上(USB対応) | |
| HE-AAC(ステレオ) | 24〜80 kbps / 32・44.1 kHz / CD・USB | 同上(USB対応) | |
| WMA | WMA Std | 8〜320 kbps / 32〜48 kHz / CD・USB | 48〜192 kbps / 32〜48 kHz / CD・DVD・USB |
| WMA Pro | 32〜768 kbps / 32〜96 kHz / CD・USB | ー | |
| WMA Lossless | 32〜3000 kbps / 32〜48 kHz / CD・USB | ー | |
| WAV | LPCM | 32〜1536 kbps / 32〜48 kHz / USB | 8〜192 kHz対応 / USB |
| Ogg | Vorbis | 32〜500 kbps / 8〜192 kHz / USB | 32〜500 kbps / 8〜48 kHz / USB |
| FLAC | FLAC | ー | 44.1 / 48 / 88.2 / 96 / 176.4 / 192 kHz / USB |
| MP4 / 3GPP | AAC / HE-AAC | ー | 8〜320 kbps / 16〜48 kHz / USB |
※両方の表を一つにまとめてましたが、参考までにご使用ください。時間経過とともに変更やバージョンアップにより状況が変わることもあります。誤記はご容赦ください。
新旧モデルの対応フォーマット
初代マツダコネクト搭載車に関する詳細はこちらのリンクをご参照ください。

次世代マツダコネクト搭載車に関してのリンク

ここから分かる「旧モデル」の弱点
旧モデルにおける最大の注意点は、一般的なハイレゾ形式である「FLAC」に対応していないことです。 現在、moraやe-onkyoなどで購入できるハイレゾ音源の多くはFLAC形式です。これをそのままUSBメモリに入れても、旧型マツダコネクトでは再生できません。
旧モデルでハイレゾ相当の音質を楽しみたい場合、マイナーな形式である「Ogg Vorbis」や「WMA Pro」へ変換する必要がありますが、これは少し手間です。
「新モデル」は本格オーディオ仕様
一方でマツダ3などの新世代システムは、FLACの192kHzまで完全対応しています。 PCオーディオの環境をそのまま持ち出せるため、非常に優秀なスペックと言えます。
結論:どの形式で管理するのが正解か?
車種によってバラバラな仕様に対し、MusicBeeでどうライブラリを構築するのが最も効率的でしょうか? 私の結論は以下の通りです。
1. 基本は「WAV」または「FLAC」で保存する
まず、PCへの保存(マスターデータ)は音質を重視しましょう。
- CDリッピング: WAV(44.1kHz/16bit)
- ハイレゾ購入: FLAC
旧モデルユーザーであっても、PCへの保存段階で音質を下げる必要はありません。
2. 「WAV」なら新旧どちらも再生可能(ただし48kHzまで)
表を見ると分かるとおり、WAV形式(LPCM)であれば、旧モデルでも新モデルでも再生可能です。 ただし、旧モデルの場合はサンプリング周波数48kHzまでという制限があります。CD音源(44.1kHz)であればWAVのまま問題なく再生できます。
3. 同期時に「変換」を行う
MusicBeeには、USBメモリへ転送する際に、「特定の形式に自動変換して転送する」という便利な機能があります。
- ライブラリ(PC内): 高音質な WAV / FLAC で保存
- 転送設定(マツコネ用):
- 旧モデルの場合 → 必要に応じて MP3 や WAV に変換設定
- 新モデルの場合 → FLAC や WAV のまま転送
このように運用すれば、車を買い替えた時や、スマホなど別の機器に転送したくなった時でも、PC内の元データをいじることなく柔軟に対応できます。
※ただし音楽ファイルを変換しても、元の音楽の音質はそのままになりますので、ご注意ください。
まとめ
- 旧マツダコネクト: FLAC不可。ハイレゾはOggなど工夫が必要。基本はMP3/AACか、CD音質のWAVが無難。
- 新マツダコネクト: FLAC対応。ハイレゾもWAVも192kHzまでOK。現代的なスペック。
- 運用方針: PC内は高音質(WAV/FLAC)で管理し、MusicBeeの同期機能を使って車の仕様に合わせた形式で送り出すのがベスト。
自分の車の仕様がわかったところで、次回はいよいよMusicBeeを使った「同期(転送)設定」と、ドライブを盛り上げる「プレイリスト」の作成方法について解説します。
「マツコネでPCの音楽を聴く!MusicBee活用ガイド⑤ マツコネ同期への準備&PCで最高音質を出す設定&」に続きます。

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